開業後

家業から企業へのジレンマ

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初めての正社員採用から1年半ほど経った、2006年秋ごろ。

店舗数は6店舗、そして2007年夏までに追加で3店舗の出店が決定し、合計9店舗へ。
業績は順調に拡大していましたが、ある問題に直面していました。

「採用した社員がなかなか定着しない」のです。

以前、初めての正社員採用にチャレンジでも書いた通り、アルバイトのみだった私たちの会社が初めて正社員を採用したことで、会社は一気に成長を加速させました。
その時は、まさに「これが家業から企業へという瞬間か」と思ったものです。

でも、それは幻想でした。

初めての社員採用から1年半。
採用しても人材が定着せず、明らかに会社のどこかに歪みが出てきていました。

創業から4年。
私たちは「企業」ではなく、まだ「家業」のレベルだったのです。

会社の投資サイクルを見直す

店舗の出店数に対して、人材の採用と教育が追いつかない状況。
家業から企業へと飛躍できないジレンマがしばらく続きました。

そこで、見直したのが「会社の投資サイクル」というもの。
会社は成長の段階に応じて、投資すべき重点ポイントがあるという考え方。

その順番はこんな感じになっています。

販促→採用→教育→環境整備→システム

ちょっと補足すると、

販促→本業の売上を伸ばすために販促費に投資すること
採用→企業を拡大するために人の採用に投資すること
教育→採用した人材が成長できるよう、教育に投資すること
環境整備→雇用した人材の環境を整備するために投資すること
システム→全てのサイクルを効果的に加速させるためのシステムに投資すること

といった感じ。

私たちの場合、創業して4年が経っていましたが、まだ2番目の「採用」の段階で投資が止まっていたという訳です。
明らかに、次の段階である「教育」に投資する時が来ていました。

さらに、当時私たちの会社は月の休みが6日と、環境整備の面でも投資が必要な状況。
そこで家業から企業への飛躍を遂げるため、一気に教育と環境整備へ投資をすることにしたのです。

投資したポイントは以下の4点。

・初めての新卒一括採用を開始。
・新入社員教育は大切なので、うちの代表と私が担当する。
・当時は斬新だった、飲食業で完全週休2日制の実現。
・社会保険完備。

当時の事を正確に思い出せないのですが、かなりの投資額だったと思います。

イメージで言うと、大きなジャンプをするために、いったんしゃがむといった感じ。
例え、悪くて分かりにくいですね(笑)。すいません。

2007年、創業5年で本当の企業へ

当時としてはかなり多額の投資だった教育と環境整備への投資。
結果的に、この投資は企業へと飛躍する第一歩となりました。

採用した社員にしっかりと育ってもらえるよう、教育は私と、うちの代表が担当。
朝から晩までガッツリと付きっきりで研修を実施。

さらに環境整備へ思い切った投資をした甲斐もあって、2007年以降人材の定着率が急激に向上。定着率の向上に伴い、新卒採用数も2007年は4人、2008年は5人、2009年は7人と、段階的に増やすことで人材層の厚みもアップ。

創業メンバーが抜けた状態でも成長が進む、企業としての形ができていきました。
(※正直に書くと、この後も色々問題はありましたが。。)

事業拡大と教育・環境への投資バランス

結果論になりますが、私たちの場合、出店を急ぐあまり教育と環境整備への投資のタイミングが遅かったのかも知れません。

その反省もあり、2008年以降は出店よりも社内の環境整備が投資の優先事項となり、出店スピードを落とすことにしました。出店を急ぐよりも、社員が安心して働ける環境を作っていこうという事です。

これは10年経った今も変わっておらず、今後もこの方針は変わらないと思います。

これから開業を考えている方の中には、どんどん出店を続けて拡大していきたいと考えている方もいらっしゃると思います。
あくまで私の経験になりますが、出店を急いで教育・環境整備への投資を後回しにすると、会社の成長が停滞する時期に直面するでしょう。

でも、停滞しはじめてから教育や環境整備へ投資するにはかなりの勇気がいります。
停滞し始めると利益も出づらくなってきますからね。

今後、開業される方には是非、私たちのように後手に回ってからではなく、社員をはじめて採用する段階から教育・環境整備へ投資の意識を持って人材を採用してもらたらと思います。

今回も読んでいただき、ありがとうございました。

 


2007年4月、新卒第一期生の研修風景。
当時の本社が狭かったので、ホワイトボードをお店に担いでいって研修やってました(笑)。
懐かしい!

 

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